ポロロッカの卵

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ポロロッカの卵

新たな視点から物事を見つめ直す新感覚横丁人情ブログ

ポロロッカの卵

恵文社に来た話

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こんにちは。

 

今朝見つけて 学校終わりに買おうと思っていた900円のソファが 学校終わりには売り切れて買えなかったポロロッカです。

 

 

今住んでる家を来週出るわけですが、そうなるとどうも今の近所が恋しく感じます。

現住所から学校までが自転車で2,30分かかり、それに耐えきれなくなったので引っ越しという手段をとることにしたのですが、

やはり別れというのは時に 他人には測り得ないほどの悲しみを伴います。

 

そこで最近はよく、近所を散策しています。

存在は知っていたけど行ったことのない店をたくさん巡っています。

そこは初見の店故 想い出なんてないのですが、なんだか引っ越してしまうともう一生この辺りには訪れることなんてないのじゃないかな、とか考えてしまうのです。さすれば足が止まらないのです。

昔から僕は、本を最後の1ページまで読み干してしまいたくなる人でした。全く興味のないあとがきでも、参考文献として名を連ねる本のタイトルを列挙したページでさえも、全て視野に収めておこうとするタチでした。

そのおかげで、今日もある店と出逢いました。

 

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京都は一乗寺にある、恵文社という本屋さんです。

 

実は僕、この店の存在はずっと前から それこそこの辺りに引っ越して来る前から 知っていました。

初めての出会いは「空から日本を見てみよう」というNHKの番組です。その番組は、日本各地を上空から撮影した映像とともに、目ぼしい建物を紹介してくれる番組です。

数年前の、京都市左京区周辺を空から見る回で、恵文社は紹介されました。

 

ここは普通の本屋さんと違い、陳列がめちゃくちゃなことに定評があります。

それこそ、表紙に空の写真がある とかで棚のひとブロックが組まれてあったりします。

ここのコンセプトは、「本との出逢い」だそうで、本との偶然の出逢いを大切にしています。だから目当てのある一冊の本を探しに来るのは御門違いというような店です。

 

そして、恵文社はその特性もあり、世界で最も素晴らしい本屋さん10件のうちの1つに数え上げられています。日本では唯一のノミネートです。

 

そんな本屋さんに、どうして今日までたったの一度も訪れなかったかというと、訪れられなかったのです。

というのも、外から見ただけで分かる店内のオシャレさ、そして静けさは、それ相応の心の準備をしないと入れないような雰囲気を有していました。自分も正装で挑まなければいけないと感じさせられていました。

 

しかし今日、授業も早く終わり目当てのソファも売り切れていて買えなかった僕は、

どうせなら散策しよう、というかいっそ恵文社に足を踏み入れてやろう

という少々ヤケクソ混じりの心意気で恵文社に行くことにしたのです。

 

 

ドキドキしながら入店。

 

店内には、外から見ていた時に感じたのとは違う静けさがありました。

BGMはかかっているけどかかっていないようだし、お客さん同士の会話も、ざわざわではないオノマトペで脳内再生されていきました。

それはそこが恵文社だから、とかではなく、そこにいる人たちが恵文社にいるから、醸し出される空気だったのかもしれません。

 

そして、本棚をねめ回し、特有の陳列を味わいました。

まるで連想ゲームのように繰り広げられる展開に、僕は息をするのも忘れました。過言。息はしました。

 

たとえば、太宰の名作が並べられ、その横に太宰を考察するような本が飛び出したかと思うとその著者が太宰と比べた作家が現れたり、

スマップの解散について述べた評論家の行列がいつの間にかプロレスについて述べた評論家の行列に変わっていたり、

いろんな歌人の短歌集の背表紙だけで新たな短歌が生まれていたり。

全ての配置が無意味なようで意味のある配置なのです。

1巻から5巻まである本が 51234 と並べられていたのにも、もしかしたらなにか意味があるのかも…とさえ考えさせられました。それは多分意味はないけど。

 

そして、もう1つ、普通の本屋との違いがありました。

これは個人差あるだろうけど、少なくとも僕の場合、本屋を訪れても全てのコーナーを見ることはないです

目当ての内容のコーナーだったり小説のコーナーだったり、とにかく限定されたところにしか行きません。国語辞典のコーナーなんて足すら運ばないです。

でも今日は、気づけば店内全ての本棚を凝視し尽くしていました。店を出た時には2時間が経過していました。

普通の本屋に比べて本の所有絶対数が少ないのもありますが、なにより本の魅せ方がうまいのです。おそらく、どの棚をとっても、一冊は気になる本があり、そこから目線を引き込んで行くのでしょう。

だから一生出逢わなかったはずの本がたくさんありました。実際に、今日は辞典コーナーにあった本を一冊買いました。これこそが、恵文社の望む「偶然の出逢い」なのでしょう。

 

そして、それに伴う気づきもたくさんありました。

全てのコーナーを見て「いい」「すごい」と感じたのなら、これから普通の本屋さんに訪れても全てのコーナーを見れば、新たな出逢いがあるんじゃないかな、と思うのです。

恵文社は、恵文社だけを恵文社たらしめるのではなくて、全ての本屋さんを恵文社にしてしまう力を持っていたのです。

 

話をまとめる方向に向かっていましたが上手くまとめられないので、一度足を運んで見てください、ということを今一度言っておきます。

おそらく皆さんの本屋観が変わるんじゃないかな、とさえ思います。

 

2000字を超えたのでこの辺で。